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女性活躍推進法の適用範囲が広がります。
~人事担当者の対応のはじめに~

2020年4月より改正女性活躍推進法が施行され、2022年4月より常時雇用する労働者の数が101人以上の企業にも適用になります。これにより、一般事業主行動計画を策定・社内周知・公表や、女性の活躍に関する情報を公表することが義務付けられました。

「余計な仕事が増えた」などと思わずに、その目的を理解し、社内の女性の活躍により、人財確保や社内の活性化につながることを期待しつつ、会社にプラスになるように取組みましょう。

把握すべき現状や課題、行動につきましては、会社ごとに異なりますので、今回は対応の詳細の説明や具体例を紹介するのではなく、取り組む時に意識することなどを述べたいと思います。

(把握すべき項目や定義、計算方法や公表項目等の詳細につきましては、厚生労働省から出されている「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定しましょう!」をご参照ください。)

法律の目的を理解しましょう

今回の女性活躍推進法の改正に限らず、法改正があると、まず、「何をすればいいのか」というお問い合わせが多いです。法改正によって仕事が増えるので、できれば手短に済ませたいという気持ちはわかります。

ですが、「何をするか」は手段です。手段ばかり気にしてしまうと、何のために行うかを見失ってしまい、労力だけが浪費されて、目的を果たせないことになりがちです。

法改正等の対応に限らず、日常業務でもそうであるように、その目的を理解することが大切です。

女性活躍推進法の目的は第1条の後段で「女性の就業生活における活躍を迅速かつ重点的に推進し、もって男女の人権が尊重され、かつ、急速な少子高齢化の進展、国民の需要の多様化その他の社会経済情勢の変化に対応できる豊かで活力ある社会を実現することを目的とする。」としております。

女性活躍推進法の目的を自社に落とし込んでみると、ハラスメントの防止や人財確保、社内の意識改革につながるのではないでしょうか。会社にとってプラスになるのであれば、しっかりと取り組んでいくべきでしょう。

現状を把握することから自社の課題を見つけましょう

まずは社内の課題を見つけていくところから始めますが、そのためには自社の現状を把握する必要があります。

漠然としたイメージでなく、現状を数値で把握したうえで、どこにどのような問題があるか見つけていきます。

数字で把握することは社内への、特に経営陣への説得力にもなるかと思います。

「採用した労働者に占める女性労働者の割合」や「男女の平均継続勤務年数の差異」などの4つ必ず把握しなければならない「基礎項目」と、「①女性労働者に対する就業生活に関する機会の提供」と「②職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備」の「選択項目」を数値で自社の現状を把握します。

「基礎項目」や「選択項目」から見えてくる自社の現状をどのように受け止めるかが重要になります。

「本当に問題は無いのか」「なぜこのような現状になったか」「どのような職場にしていきたいか」といった意識を常に持ち続けて課題を見つけましょう。

課題を克服するためのチャレンジを行動計画に

各項目の数値や、課題は各社それぞれに異なるでしょう。他社の導入事例の資料もありますが、あくまで参考として、自社では何をどうするかを検討しましょう。総務や人事だけで検討するのではなく、各部署を巻き込んで全社的に検討することも社内の意識改革の点からも重要です。

「出来そうなことから」というのも大事ですが、この取り組みをより効果的にするには、問題の大きさや期待できる効果を考慮して行動の優先順位を決めた方が良いのではないでしょうか。

課題克服のためになすべきことが決まりましたら、「一般事業主行動計画」を策定していきます。

一般事業主行動計画は①計画期間②数値目標③取組内容④取り組みの実施時期の4つを決めていきます。

行動計画を公表して届け出てからがスタートです

策定した「一般事業主行動計画」は社内で周知するとともに、社外にも公表することになります。

社外への公表につきましては、自社のホームページに掲載することでも可能ですが、厚生労働省が運営する「女性の活躍推進企業データベース」に会社を登録して掲載することによる公表もできます。

公表することは法律で求められていることですが、やはり会社全体での理解が重要ですので、しっかりと周知・公表していきましょう。

一般事業主行動計画を公表しましたら、管轄労働局へその旨の届け出を行うことになります。そして、ここからがスタートになります。

会社としての目的達成のために、行動計画を実施していきます。定期的に目標数値の達成状況や、行動計画に基づく取り組みの実施状況を点検・評価し、その後の取り組みや計画に反映させていきましょう。

また、女性の活躍に関する情報の公表につきましては、「①女性労働者に対する就業生活に関する機会の提供」と「②職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備」のうちの公表項目から1項目以上(301人以上の事業主はそれぞれから1項目以上、2項目以上)を選択して公表することになります。

この公表は就職活動中の学生など求職者への情報になります。優秀な人財の確保や競争力の強化にもつながるので、しっかりと取り組み、成果を出しつつ、会社の良さを社内外にアピールしていきましょう。

厚生労働省の「女性活躍推進法特集ページ」や東京労働局の「女性活躍推進法特設ページで資料や届出様式をダウンロードできます。

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